【30年の実体験】生産技術職とは?仕事内容・年収・向いている人を解説

生産技術職について、こんな疑問はありませんか?
- 生産技術職はどのような仕事をするのか
- 機械・電気・システム担当は何が違うのか
- 生産技術職に必要な資格やスキルはあるのか
- 仕事のやりがいや大変なことは何か
- 高卒や製造現場からでも生産技術職を目指せるのか
「生産技術」は、工場で働いた経験がない方には、あまり馴染みのない職種かもしれません。

私自身も、高校を卒業して工場へ入社するまで、生産技術という仕事を知りませんでした。
私は高校卒業後、大手電機メーカーの工場で6年間、交替勤務の製造現場を経験しました。
その後、4年間の工程改善業務を経て、生産技術部門へ異動し、18年間勤務しました。
46歳で初めて転職してから4回の転職を経験しましたが、転職先でも主に生産技術や設備に関する仕事に携わり、通算約30年の経験を積んできました。
生産技術職は、新しい生産ラインを導入するだけの仕事ではありません。
稼働中の設備を改善して生産性や品質を高めたり、突然発生した設備故障を復旧したりするなど、製造現場を技術面から支える役割を担っています。
この記事では、生産技術職の仕事内容、担当分野、必要な資格、昇進と年収、仕事のやりがいと厳しさについて、約30年間の実体験をもとに解説します。
また、高卒で製造現場へ配属された私が、どのように工程改善を経験し、生産技術職へ進んだのかもお伝えします。
生産技術職に興味がある方や、製造現場からのキャリアアップを考えている方が、仕事内容と働き方を具体的にイメージするための参考になれば幸いです。
生産技術職とは

生産技術とは、製品を安全かつ安定して、効率よく生産するための技術や取り組みのことです。
製造業では、主に次の4つを意識して生産方法や設備を考えます。
- Quality(品質):不良品を減らし、安定した品質を維持する
- Cost(コスト):材料費や人件費、生産ロスなどを削減する
- Delivery(納期):必要な製品を決められた期日までに生産する
- Safety(安全):作業者が安全に働ける設備や環境をつくる
生産技術職は、これらの条件を満たすために、生産工程や設備を計画・導入・改善する仕事です。
製品を設計する部門と、実際に製品をつくる製造現場の間に入り、「設計された製品を、どのような方法で量産するか」を具体化します。
例えば、新製品を量産する場合は、必要な設備や作業工程を検討し、生産ラインを構築します。
量産が始まった後も、次のような課題へ継続的に対応します。
- 不良品が多い
- 生産数が計画に届かない
- 設備が頻繁に停止する
- 作業者の負担が大きい
- 危険な作業が残っている
- 製造コストが高い
問題の原因を調査し、設備や作業方法を改善することで、工場の生産性と競争力を高めることが生産技術職の役割です。
生産技術部門の体制は、企業や工場の規模によって異なります。
大企業では、本社の生産技術部門が国内外の工場を支援したり、各工場に生産技術部門を配置したりする場合があります。
一方、中小規模の工場では、独立した生産技術部門を設けず、製造部門や設備保全部門が生産技術の仕事を兼務することもあります。

工場内では、生産技術部門を略して「生技(せいぎ)」と呼ぶことがあります。
生産技術職の業務は、新しい生産ラインの導入だけではありません。
既存設備の改善、設備故障への対応、新しい製造技術の開発など、工場を技術面から幅広く支えています。
次の章では、生産技術職が担当する主な仕事内容を、私の実体験も交えて詳しく紹介します。
生産技術職の主な業務内容

生産技術職の仕事内容は、企業の規模や製造する製品によって異なります。
私が約30年間の生産技術業務で経験してきた主な仕事は、次の4つです。
- 新規生産ラインの導入
- 既設生産ラインの改善・改造
- 設備故障への対応
- 新しい生産技術の開発
生産ラインを新しく立ち上げる仕事だけでなく、量産開始後の改善や設備トラブルへの対応も、生産技術職の重要な役割です。
ここからは、それぞれの仕事内容を実体験も交えて紹介します。
新規生産ラインの導入
新規生産ラインの導入は、開発された新製品を、安全かつ安定して量産できる生産工程をつくる仕事です。
製品の設計図が完成しても、すぐに工場で大量生産できるわけではありません。
どのような順番で組み立てるのか、どの設備を使用するのか、何人で作業するのか、目標とする生産数や品質を達成できるのかを検討する必要があります。
新規生産ラインの導入は、一般的に次の流れで進めます。
- 製品仕様と生産数量の確認
- 生産工程と設備構想の検討
- 設備仕様書の作成
- 必要な予算の算出と社内承認
- 設備メーカーの選定と発注
- 設備の設計・製作
- 設備メーカーでの完成確認
- 工場への搬入・設置
- 動作確認と製品の品質確認
- 量産開始と製造部門への引き渡し
私が勤務した工場では、設備の製作を設備メーカーへ依頼する場合と、社内で設計から組み立て、配線まで行う場合の両方がありました。
設備メーカーへ依頼する場合でも、すべてを任せるわけではありません。
生産技術者が設備仕様を決め、設計内容を確認し、製作途中の設備が要求どおりに仕上がっているかを確認します。
設備が完成した後は工場へ搬入し、実際に製品を流しながら、生産能力、品質、安全性などを確認します。

量産開始後も、すぐに安定して生産できるとは限りません。
設備停止や製品不良などの問題が発生した場合は、生産技術者が中心となって原因を調査し、設備メーカーや製造部門と協力して改善します。
目標とする生産数や良品率を達成し、製造部門が安定して生産できる状態にするまでが、新規生産ライン導入の仕事です。
既設生産ラインの改善・改造
すでに稼働している生産ラインの問題を見つけ、設備や作業方法を改善することも、生産技術職の重要な仕事です。
生産ラインでは、量産を続けるなかで次のような問題が発生します。
- 製品不良が多い
- 設備が頻繁に停止する
- 目標とする生産数を達成できない
- 作業者の負担が大きい
- 材料や部品のムダが多い
- 危険な作業が残っている
なかでも、短時間の設備停止を繰り返す「チョコ停」は、一回の停止時間が短くても、積み重なると大きな生産ロスになります。
改善を進めるときは、まず製造現場で設備の動きや作業方法を確認します。
設備の停止履歴や不良品の発生状況、生産数などのデータも調べ、問題がどこで、どのような条件のときに発生しているのかを特定します。
原因が設備にある場合は、センサーの位置変更、部品の形状変更、機構の追加など、具体的な改善方法を検討します。
改善内容が決まったら、必要に応じてCADで図面を作成し、部品の製作や設備改造を行います。
ただし、稼働中の設備を改造すると、これまで正常だった部分に新たな問題が発生する可能性があります。
そのため、改造前には安全性や品質への影響を確認し、改造後は実際に製品を流して、次の点を検証します。
- 問題が解消されたか
- 新たな不具合が発生していないか
- 製品品質に影響がないか
- 作業者が安全に使用できるか
- 改善前より生産性が向上したか
私自身も、設備停止の原因を調査し、部品の形状や設備の動きを変更することで、チョコ停や製品不良を減らしてきました。
改善によって設備が安定して動き、作業者から「作業が楽になった」と言ってもらえたときは、生産技術職として大きなやりがいを感じます。
設備故障への対応
日常的に点検や整備を行っていても、生産設備が突然故障することがあります。
設備が停止すると生産ができなくなり、停止時間が長引けば、納期にも影響します。
そのため、設備故障が発生したときは、迅速かつ安全に復旧しなければなりません。

故障対応の役割分担は、工場によって異なります。
製造部門や設備保全部門が最初に対応し、それだけでは解決できない場合に生産技術者が加わる工場もあれば、生産技術部門が設備保全を兼務している工場もあります。
設備故障が発生したときは、次の情報を確認します。
- 故障が発生したときの設備の動き
- 操作画面に表示されたエラー
- 異音や振動、においの有無
- 直前に行った作業や条件変更
- 過去に同じ故障が発生していないか
そのうえで、機械部品、電気回路、センサー、制御プログラムなどを確認し、故障の原因を絞り込みます。
生産を早く再開することは重要ですが、原因を確認せずに設備を動かすと、同じ故障が再発したり、故障の範囲が広がったりする可能性があります。
そのため、応急処置で設備を復旧した場合でも、後から原因を詳しく調査し、部品交換や設備改造などの恒久対策を行います。
自社だけで対応できない故障の場合は、設備メーカーへ連絡し、修理や技術支援を依頼します。
その際も、故障の状況や確認した内容を正確に伝えることで、原因の特定と復旧を早めることができます。

私もこれまで、機械部品の破損、センサーの異常、電気回路や制御に関するトラブルなど、さまざまな設備故障へ対応してきました。
過去の故障経験や設備の構造に関する知識が増えるほど、原因を早く絞り込めるようになります。
設備の停止時間を短くし、同じ故障を繰り返さないようにするため、生産技術者には継続的に知識と対応力を高めることが求められます。
新しい生産技術の開発
新しい生産方法や設備技術を開発することも、生産技術職の重要な仕事です。
製造業では、品質や価格だけでなく、製品を市場へ投入するまでのスピードも求められます。
同業他社と同じ方法で生産しているだけでは、品質やコストで十分な競争力を得られない場合があります。
そのため、生産技術部門では新しい技術や設備を調査し、自社の生産工程へ活用できないか検討します。

新しい生産技術の例として、次のようなものがあります。
- ロボットを活用した作業の自動化
- カメラによる外観検査の自動化
- センサーを利用した設備状態の監視
- IoTを活用した生産データの収集・分析
- AIを利用した不良品や設備異常の検出
- 作業者の負担を減らす省力化設備
- 材料やエネルギーの使用量を減らす生産方法
新しい技術を見つけても、すぐに量産工程へ導入できるわけではありません。
まず、小規模な試験設備や試作品を使い、技術的に実現できるかを確認します。
効果が確認できた後も、製品品質、安全性、導入費用、設備の保守性などを検証する必要があります。
技術的に優れていても、導入費用が高すぎたり、故障時に社内で対応できなかったりすると、量産設備として採用できない場合があります。
そのため、生産技術者には、新しさだけでなく、導入後に安定して使い続けられるかを判断する視点も必要です。
新しい生産技術を開発し、品質向上やコスト削減につなげることができれば、会社の競争力を高める大きな成果になります。
一方で、期待した結果が得られず、開発を途中で断念することもあります。
試験と失敗を繰り返しながら実用化を目指すことも、新しい生産技術を開発する仕事の一部です。
生産技術職の担当分野


生産技術職は、担当する技術分野によって、主に次の3つに分けられます。
- 機械担当
- 電気担当
- システム担当
大規模な企業では、それぞれの専門担当者が協力して生産設備を導入します。
一方、中小規模の工場では、一人の生産技術者が機械と電気の両方を担当したり、設備保全やシステム関連の業務まで兼務したりすることもあります。
また、機械担当であっても電気や制御の基礎知識が必要になるなど、自分の専門分野以外の知識も求められます。
私は工業高校の機械科を卒業し、生産技術職では主に機械分野を担当してきました。
ここからは、各担当分野の主な仕事内容を紹介します。
機械担当
機械担当は、生産設備の構造や動作を考え、必要な機械や部品を設計する仕事です。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 生産工程と設備構想の検討
- 機械設備の仕様作成
- CADを使用した機械図面の作成
- 設備や治具の設計
- 設備メーカーとの打ち合わせ
- 製作された設備の確認
- 工場への設備搬入と設置
- 設備の組み立て・調整
- 量産開始前の動作確認
- 既存設備の改善・改造
新規生産ラインを導入する場合は、製品の形状や生産数量、作業方法などをもとに、どのような設備が必要かを検討します。
設備メーカーへ製作を依頼する場合は、設備仕様書や図面を使って、必要な機能や安全対策を具体的に伝えます。
設備が完成した後は、設計どおりに動くか、必要な生産能力を満たしているか、製品品質に問題がないかを確認します。
既存設備を改善する場合は、製造現場で問題の原因を調査し、部品の形状変更や機構の追加などを行います。
私はこれまで、CADを使用した設備設計、新規生産ラインの導入、既存設備の改造、設備故障への対応などを経験してきました。
自分で考えて設計した設備が想定どおりに動き、製造現場の作業負担や生産ロスを減らせたときに、機械担当として大きな達成感を感じます。
電気担当
電気担当は、生産設備を正しく動かすための電気回路や制御システムを設計・調整する仕事です。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 電気回路図の作成
- 制御盤の設計
- 設備の電気配線
- センサーやスイッチの選定・調整
- PLC(シーケンサー)のプログラム作成
- タッチパネル画面の作成
- インバーターやサーボモーターの設定
- 画像検査カメラの設定・調整
- 設備の動作確認とデバッグ
- 電気系統の故障調査
機械担当が設備の構造や動作機構を設計し、電気担当がモーターやセンサーなどを制御することで、生産設備が一つの機械として動作します。
例えば、製品が決められた位置へ到着したことをセンサーで検知し、モーターやシリンダーを動かす順番をPLCで制御します。
設備が想定どおりに動かない場合は、電気回路図やPLCのプログラムを確認し、センサー、配線、電気部品などに異常がないか調査します。
近年の生産設備では、ロボット、画像検査カメラ、サーボモーターなどを使用する機会が増え、電気制御に関する知識の重要性がさらに高まっています。
また、電気設備を扱う作業の内容によっては、電気工事士などの資格が必要になる場合があります。
電気には感電や火災の危険があるため、設備を停止し、電源を遮断したうえで作業するなど、安全対策を徹底しなければなりません。
機械担当であっても、設備故障の原因を判断したり、電気担当者へ正確に状況を伝えたりするためには、センサーやモーター、電気回路などの基礎知識が必要です。
機械と電気の担当者が互いの役割を理解し、協力して設備を完成させることが、生産ラインを安定して稼働させるために重要です。
システム担当
システム担当は、生産設備や工場内のシステムをネットワークでつなぎ、生産に関するデータを収集・管理・活用する仕事です。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 生産設備からのデータ収集
- 工場内ネットワークの構築
- 生産管理システムとの接続
- 設備の稼働状況を確認する画面の作成
- 生産数や不良数の自動集計
- 製品の製造履歴を管理するシステムの構築
- IoTを活用した設備状態の監視
- 収集したデータの分析
- システム障害や通信異常への対応
従来の工場では、生産数や設備停止時間、不良品の数などを作業者が手書きで記録し、後から集計することが多くありました。
現在では、生産設備からデータを自動的に収集し、パソコンやモニターで設備の稼働状況をリアルタイムに確認できる工場が増えています。
例えば、設備が停止した時間と原因を自動的に記録すれば、どの設備で、どのような停止が多いのかを把握できます。
集めたデータを分析することで、設備故障の予兆を見つけたり、生産ロスや製品不良を減らしたりする改善につなげられます。
また、製品に使用した材料や部品、製造日時、検査結果などを記録することで、不良品が発生した場合に、製造履歴を追跡できます。
このように、製品がいつ、どの設備で、どのような条件で生産されたのかを確認できる仕組みを、「トレーサビリティ」といいます。
システム担当は、機械担当や電気担当だけでなく、製造部門、品質管理部門、情報システム部門などとも連携して仕事を進めます。
設備からどのようなデータを取得するのか、そのデータを何に活用するのかを関係部署と話し合い、工場に合ったシステムを構築します。
設備やシステムをネットワークへ接続する機会が増えるほど、不正アクセスや情報漏えいを防ぐセキュリティ対策も重要になります。
システム担当には、設備に関する知識だけでなく、ネットワーク、データベース、プログラムなど、ITに関する幅広い知識が求められます。
生産技術職に必要な知識・資格


生産技術職になるために、すべての会社で共通して必要となる資格はありません。
資格を持っていなくても、生産技術部門へ配属され、仕事をしながら知識や技術を身につけることは可能です。
ただし、生産設備の設計や改善、故障対応などを行うためには、幅広い知識とスキルが求められます。
また、担当する作業によっては、資格や技能講習の修了が必要になります。
生産技術職に必要な知識・スキル
生産技術職で役立つ主な知識・スキルは、次のとおりです。
- 機械や材料に関する知識
- 電気回路や制御に関する知識
- CADを使用した図面作成
- 品質管理に関する知識
- 問題の原因を調査・分析する力
- 安全に関する知識
- 生産データを分析する力
- 関係部署や設備メーカーとの調整力
- 計画どおりに仕事を進める管理力
すべての分野に詳しくなければ、生産技術職として働けないわけではありません。
まずは機械、電気、システムなど、自分の担当分野に必要な知識を身につけ、仕事を通して対応できる範囲を広げていくことが大切です。
生産技術の仕事では、設備や製品に問題が発生したときに、現場を確認し、原因を一つずつ絞り込む力が必要です。
また、生産技術者だけで仕事を完結できることは多くありません。
製造部門、品質管理部門、製品設計部門、設備メーカーなど、多くの関係者と協力するため、自分の考えを分かりやすく説明し、意見を調整する力も求められます。
生産技術職に役立つ資格
生産技術職で役立つ資格は、担当する業務によって異なります。
例えば、次のような資格や講習があります。
- 機械保全技能士
- 電気工事士
- 危険物取扱者
- クレーン・デリック運転士
- フォークリフト運転技能講習
- 玉掛け技能講習
機械保全技能士は、生産設備の点検や保全、故障対応に関する知識と技能を証明できる国家資格です。
機械保全技能検定には、機械系保全作業、電気系保全作業、設備診断作業などがあり、自分の担当業務に合った分野を選んで受検できます。
クレーンやフォークリフトなどを実際に操作する場合は、設備の種類や能力、作業内容に応じて、免許や技能講習、特別教育などが必要になります。
資格を取得すれば、すぐに生産技術の仕事ができるわけではありません。
しかし、資格取得に向けて勉強することで、これまで経験だけで行っていた作業を理論から理解できるようになります。
また、転職や社内異動の際に、自分の知識や技能を客観的に伝える材料にもなります。
私がこれまでに取得した主な資格は、次のとおりです。
- 1級機械保全技能士(機械系保全作業)
- 危険物取扱者乙種第4類
- クレーン・デリック運転士免許
なかでも、1級機械保全技能士の取得に向けて学んだ知識は、設備故障の原因調査や予防保全を考えるうえで役立ちました。

資格は、生産技術職になるための必須条件ではありません。
実際の製造現場で問題を見つけ、改善や故障対応を経験しながら技術力を高めることが、生産技術者として成長するために最も重要です。
生産技術職のキャリアと年収

生産技術職は、経験を積むことで専門性を高め、担当者から管理職へキャリアアップできる仕事です。
一方、年収は経験年数だけでなく、企業規模、業界、役職、残業時間などによって大きく異なります。
ここでは、一般的なキャリアの進み方に加え、私自身の昇進と年収の変化を実体験として紹介します。
生産技術職のキャリアアップ
生産技術職のキャリアは、一般的に担当者から始まり、経験を積むことで主任、係長、課長、部長などの管理職へ進みます。
ただし、役職名や昇進の仕組みは企業によって異なります。
管理職にならず、機械設計、電気制御、設備保全などの専門性を高め、技術のスペシャリストとして働く道もあります。
昇進の際に評価される主な項目は、次のとおりです。
- 担当した設備やプロジェクトの成果
- 品質向上やコスト削減への貢献
- 設備トラブルへの対応力
- 機械・電気・システムに関する専門知識
- 関係部署との調整力
- 部下や後輩の指導・育成
- チームやプロジェクトを管理する力
企業によっては、上司の推薦に加え、昇進試験や面接、論文などが必要になる場合もあります。
私のこれまでの役職の変遷は、次のとおりです。
| 役職 | 年齢 | 何社目・経験年数 |
|---|---|---|
| 主任 | 28歳 | 1社目・10年 |
| 係長代理 | 33歳 | 1社目・16年 |
| 係長 | 36歳 | 1社目・19年 |
| 課長 | 46歳 | 2社目・入社時 |
| 部長 | 49歳 | 2社目・3年 |
| 課長 | 50歳 | 3社目・入社時 |
| 課長 | 51歳 | 4社目・入社時 |
| 部長 | 52歳 | 4社目・2年 |
| 取締役 | 56歳 | 4社目・5年 |
| 管理職(役職名なし) | 56歳 | 5社目・入社時 |
高校卒業後に入社した1社目では、28歳で主任、33歳で係長代理、36歳で係長へ昇進しました。
しかし、その会社では課長以上の管理職になることができませんでした。
自分の力不足もあったと思いますが、当時の職場環境や異動のタイミングなど、自分の努力だけでは変えられない要因も影響したと感じています。
その後、46歳で初めて転職した会社では、入社時に課長として採用され、49歳で部長になりました。
転職すると、会社の規模や役職制度が変わるため、同じ仕事内容でも役職が上がったり下がったりすることがあります。
そのため、役職名だけで判断せず、実際の仕事内容、責任の範囲、給与などを確認することが重要です。
私は高卒ですが、転職や昇進において、学歴だけを理由に評価されなかったと感じたことはありません。
生産技術職では、学歴に加えて、これまでに経験した設備、改善実績、トラブルへの対応力、マネジメント経験なども評価されます。
現場で実績を積み、社内外の関係者から信頼を得ることが、キャリアアップにつながると実感しています。
生産技術職の年収
生産技術職の年収は、経験年数、担当分野、企業規模、業界、役職などによって大きく異なります。
dodaが2025年1月31日に更新した職種図鑑によると、生産技術職の平均年収は523.8万円です。
一方、国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均給与は478万円となっています。
ただし、二つのデータは調査対象や集計方法が異なるため、単純に比較することはできません。生産技術職の年収を考える際の参考値として捉えてください。
私自身の年収の変化は、次のとおりです。
| 年齢 | 年収(総支給額) | 役職 |
|---|---|---|
| 20歳 | 350万円 | 担当 |
| 25歳 | 400万円 | 担当 |
| 30歳 | 450万円 | 主任 |
| 35歳 | 600万円 | 係長代理 |
| 40歳 | 750万円 | 係長 |
| 45歳 | 850万円 | 係長 |
| 50歳 | 650万円 | 課長 |
| 55歳 | 700万円 | 部長 |

20歳から30歳までは、年収が平均して1年に約10万円ずつ増えました。
30歳から40歳までは、主任から係長代理、係長へ昇進したことに加え、残業時間が大幅に増えたことで、年収も大きく増加しました。
しかし、46歳で初めて転職した際、年収は約250万円下がりました。
転職によって基本給が大きく下がったわけではありません。
管理職として採用されて残業代が支給されなくなったことと、前職より賞与が少なくなったことが主な理由です。
この経験から、基本給が同じでも、残業代、賞与、各種手当によって年収が大きく変わることを実感しました。
私は4回の転職を経験しましたが、転職先を選ぶ際は、基本給が下がらないことを重要な条件にしてきました。
その結果、基本給を下げずに転職できましたが、基本給が維持されても、年収まで維持されるとは限りません。
転職先の給与を確認するときは、提示された月給や年収だけでなく、次の項目を比較する必要があります。
- 基本給
- 賞与の支給実績
- 残業代の支給条件
- 役職手当や各種手当
- 昇給制度
- 退職金制度
- 定年前の給与減額
- 再雇用後の給与
生産技術職は、経験や専門性、担当するプロジェクトの規模によって、収入を増やせる可能性があります。
一方、昇進によって管理職になると残業代が支給されなくなり、仕事内容や責任が増えても、年収が期待したほど上がらない場合もあります。
年収だけで判断せず、仕事内容、責任、勤務時間、休日なども含めて、自分に合った働き方を考えることが大切です。
30年経験して感じた生産技術職のやりがいと厳しさ

私は約30年間、生産技術や設備に関する仕事に携わってきました。
生産技術職には、自分が関わった設備から製品が生まれる達成感がある一方で、納期や設備トラブルに追われる厳しさもあります。
ここでは、長年の実体験をもとに、生産技術職のやりがいと厳しさを紹介します。
自分が関わった生産ラインから製品が生まれる達成感
生産技術職の大きなやりがいは、自分が設計や導入に関わった生産ラインから、実際に製品が生み出されることです。
新しい生産ラインの立ち上げでは、設備仕様の検討から設計、製作、据え付け、試運転まで、多くの工程に関わります。
途中で設備が思うように動かなかったり、必要な品質や生産能力を満たせなかったりすることもあります。
そのたびに原因を調べ、関係者と相談しながら改善を重ねていきます。

苦労して立ち上げた生産ラインが安定して動き、次々と製品が作られていく様子を見たときには、大きな達成感があります。
自分が関わった製品を店頭や街中で見かけたときも、工場の生産を支えていることを実感できます。
結果が設備や製品という形で残ることは、生産技術職ならではのやりがいです。
幅広い知識と技術が身につく
生産技術職では、機械、電気、制御、品質、安全など、製造に関する幅広い知識と技術が身につきます。
設備を設計・改善するには、機械図面やCADの知識だけでなく、モーター、センサー、空気圧機器などの仕組みも理解しなければなりません。
設備トラブルが発生したときには、現象を確認し、考えられる原因を一つずつ調べながら対策を進めます。
こうした経験を重ねることで、問題の原因を見つけて解決する力も身につきました。
また、生産技術の仕事は一人だけでは完結しません。
製造、品質、設計、保全、設備メーカーなど、さまざまな立場の人と協力する必要があります。
そのため、技術的な知識だけでなく、相手に分かりやすく説明する力や、意見を調整しながら仕事を進める力も求められます。
私自身も、長年の業務を通じて身につけた設備や工具に関する知識が、仕事だけでなく、家庭での修理やDIYなどにも役立っています。
海外で仕事をするチャンスがある
生産技術職では、海外工場の新設や生産ラインの導入に伴い、海外で仕事をする機会があります。
海外工場へ設備を導入する場合は、日本国内で設備の仕様や工程を検討し、現地では据え付け、試運転、生産条件の調整などを行います。
設備を安定して稼働させるため、現地の担当者に操作方法や点検方法を説明することも、生産技術の重要な仕事です。
私はこれまで、4か国へ合計14回出張し、海外で生産ラインの立ち上げや技術支援に携わりました。
- アメリカ(3回:5.5か月間)
- シンガポール(8回:10か月間)
- 中国(2回:1か月間)
- 台湾(1回:0.2か月間)
14回の海外出張を合計すると、滞在期間は約1年5か月になります。
海外での業務は、週休1日で残業が続くことも多く、決して楽な仕事ではありませんでした。
言葉や仕事の進め方の違いに苦労しながら、現地の担当者と協力して仕事を進めました。
それでも、設備が無事に稼働し、現地で生産を開始できたときには、日本国内の立ち上げとは違った大きな達成感がありました。
休日には、観光やゴルフなどを通じて、現地の文化に触れる機会もありました。
仕事を通じてさまざまな国を訪れ、異なる文化や考え方を知ることができたのは、私にとって貴重な経験です。
すべての会社や部署に海外業務があるわけではありませんが、海外に工場を持つメーカーでは、生産技術職として海外で活躍できる可能性があります。
納期や設備トラブルに追われることがある
生産技術職には大きなやりがいがある一方で、納期や設備トラブルに追われる厳しさもあります。
新しい生産ラインの立ち上げでは、設備が予定どおり完成するとは限りません。
試運転で不具合が見つかったり、必要な品質や生産能力を満たせなかったりすることもあります。
それでも、生産開始の予定日は簡単には変更できません。
そのため、立ち上げの直前には、問題を解決するために残業や休日出勤が続く場合があります。
既存の生産ラインでも、突然の設備故障によって生産が止まれば、早急な復旧を求められます。
停止時間が長くなるほど生産への影響が大きくなるため、原因を見つけるまで強いプレッシャーを感じることもあります。

私自身も、生産ラインの立ち上げや設備トラブルへの対応が重なり、長時間労働が続いた経験があります。
設備が正常に動き、生産が再開したときには達成感がありますが、その裏側には、納期を守りながら問題を解決しなければならない厳しさがあります。
生産技術職を目指す場合は、仕事内容の魅力だけでなく、繁忙期や設備トラブル時には負担が大きくなることも理解しておく必要があります。
夜間や休日に呼び出されることがある
24時間稼働している工場では、夜間や休日に設備トラブルが発生することがあります。
製造担当者や設備保全担当者だけでは復旧できない場合、生産技術の担当者へ連絡が入ることもあります。
電話で設備の状態を確認し、対処方法を伝えるだけで解決する場合もありますが、重大な故障では工場へ出向いて対応しなければなりません。

私も、生産ラインの設備トラブルによって、勤務時間外に連絡を受けたり、休日に対応したりした経験があります。
特に、自分が設計や導入を担当した設備では、構造や制御内容を詳しく把握しているため、担当者として対応を求められることがあります。
設備を復旧させる責任があるため、問題が解決するまでは気持ちが休まらないことも、生産技術職の厳しさの一つです。
ただし、夜間や休日の対応方法は会社によって異なります。
設備保全部門が交替勤務で対応する会社や、当番制を採用している会社では、生産技術担当者が毎回呼び出されるとは限りません。
就職や転職の際には、工場の稼働時間だけでなく、設備トラブル時の連絡体制や休日対応の有無も確認しておくことが大切です。
生産技術職の厳しさや、きついと感じたときの乗り越え方については、以下の記事で詳しく紹介しています。

高卒・製造現場から生産技術職へ進んだ経験

生産技術職へ進むには、大学や専門学校で機械・電気を学んでから就職する方法だけでなく、製造現場で経験を積んでから異動する方法もあります。
私は工業高校の機械科を卒業後、製造現場で6年間の交替勤務を経験しました。
その後、4年間の工程改善を経て、生産技術職へ進みました。
生産技術へ異動してからは、最初の会社で18年間、設備の設計・改善や新しい生産ラインの立ち上げなどに携わりました。
転職後も生産技術や設備に関する仕事を続け、これまでの経験は合計で約30年になります。
ここでは、私が製造現場から工程改善を経て、生産技術職へ進んだ経緯を紹介します。
6年間の交替勤務で製造現場を経験
工業高校を卒業して入社した私は、最初の6年間、製造現場で交替勤務を経験しました。
製造現場では、決められた生産数と品質を守りながら、設備を安定して動かすことが求められます。
設備が停止したときには、現象を確認して上司や設備担当者へ伝え、復旧後には不良品が発生していないかを確認しました。
交替勤務では、勤務する時間帯によって体調管理が難しくなることもありました。
また、設備トラブルや生産の遅れが発生すれば、次の勤務者へ正確に状況を引き継ぐ必要があります。
この6年間で、設備を使用する作業者の立場や、製造現場が抱える問題を身をもって理解できました。
生産技術職へ進んでからも、設備の使いやすさや安全性を考えるうえで、製造現場で働いた経験が大きく役立っています。
4年間の工程改善で生産技術の基礎を学ぶ
製造現場で6年間働いた後、私は工程改善を担当する部署へ異動しました。
工程改善の仕事では、製造現場の作業を確認し、生産性や品質、安全性を向上させるための対策を考えます。
作業に時間がかかっている原因や、不良品が発生する要因を調べ、作業方法の見直しや治具・設備の改善などを進めました。
改善案を考えるだけでなく、製造担当者から意見を聞き、実際の作業で効果があるかを確認することも重要です。
対策を実施しても、期待した効果が得られないことがあります。
その場合は、原因をもう一度調べ、改善を繰り返しました。
この4年間で、現場の問題を見つけ、原因を調査し、対策を実施して効果を確認するという改善の進め方を学びました。
工程改善で身につけた考え方や経験が、その後、生産技術職として設備の設計や生産ラインの改善に取り組むための基礎となりました。
生産技術へ異動して18年間経験を積む
工程改善を4年間経験した後、私は生産技術を担当する部署へ異動しました。
生産技術では、新しい生産ラインの導入、既存設備の改善・改造、設備トラブルへの対応などに携わりました。
工程改善では、すでにある工程をより良くすることが主な仕事でしたが、生産技術では、設備の仕様を決める段階から設計、製作、据え付け、試運転まで関わるようになりました。
初めのうちは分からないことも多く、上司や先輩、設備メーカーの担当者から教わりながら、機械設計や設備に関する知識を身につけました。
経験を重ねるにつれて、設備の一部を改善する仕事から、新しい生産ライン全体の立ち上げまで、担当する範囲が広がっていきました。
海外工場への生産ライン導入にも携わり、現地での据え付けや試運転、技術支援なども経験しました。
最初の会社では18年間、生産技術職として仕事を続けました。
製造現場と工程改善を経験してから生産技術へ進んだことで、設備を使う側の立場を考えながら、設計や改善に取り組むことができました。
4回の転職で生産技術の経験を活かした
私は46歳で初めて転職し、その後も転職を経験して、これまで5社で働いてきました。
転職先では、会社の規模や製品、使用する設備が異なりましたが、製造現場、工程改善、生産技術で身につけた経験を活かすことができました。
一方で、転職先が決まるまでの期間や採用に至った経緯は、転職した年齢によって大きく異なります。
私が経験した4回の転職は、以下のとおりです。
| 転職回数 | 転職年齢 | 転職活動期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 46歳 | 6か月 | 無職期間5か月 |
| 2回目 | 50歳 | なし | リファラル採用*1 |
| 3回目 | 50歳 | なし | アルムナイ採用*2 |
| 4回目 | 56歳 | 1年6か月 |
*1:リファラル採用 自社の社員に人材を紹介・推薦してもらう採用手法
*2:アルムナイ採用 一度退職した社員を再び雇用する採用手法
46歳で経験した初めての転職では、転職先が決まるまでに6か月かかり、そのうち5か月は無職の期間でした。
一方、56歳で経験した4回目の転職では、新しい会社へ入社するまでに1年6か月かかりました。
初めての転職と比べると、1.5倍の期間を要したことになります。
求人の状況や希望条件なども影響するため、転職活動が長期化した原因を年齢だけに限定することはできません。
それでも、50代後半では応募できる求人が少なくなり、転職先が決まるまでに時間がかかる可能性があると実感しました。
50歳のときに経験した2回目と3回目の転職は、リファラル採用とアルムナイ採用だったため、一般的な応募による転職活動はほとんど行っていません。
こうした採用につながったのは、それまでに築いてきた人とのつながりに加え、製造現場や生産技術での経験と実績があったからだと考えています。
年齢を重ねるほど、転職活動のハードルが上がる可能性はあります。
しかし、生産技術で身につけた設備導入、工程改善、トラブル対応などの経験は、転職先でも活かせる強みになります。
私自身、4回の転職を通じて、これまでの経験や実績を具体的に伝えることの重要性を実感しました。
50代後半で経験した転職活動の経緯や、転職後に起きた変化については、以下の記事で詳しく紹介しています。

生産技術職に向いている人

生産技術職では、機械や設備に関する知識だけでなく、製造現場へ足を運んで問題を確認する行動力や、関係者と協力する力も求められます。
私が約30年間働いてきた経験から、生産技術職に向いていると感じる人の特徴は、次の3つです。
- 工場での業務に抵抗がない人
- ものづくりが好きな人
- 人とコミュニケーションを取るのが苦にならない人
工場での業務に抵抗がない人
生産技術職は、オフィスでのデスクワークだけでなく、製造現場で設備や作業の状態を確認する機会が多い仕事です。
工場の環境は、製造する製品や工程によって異なります。
空調が整ったクリーンルームもあれば、夏の暑さや冬の寒さ、騒音、油、粉じんなどがある職場もあります。
設備トラブルが発生したときには、現場へ足を運び、設備の動きや作業者からの情報をもとに原因を調べます。
設備の下や、狭い場所に入って確認することもあります。
そのため、工場の環境や現場での作業に抵抗がなく、自分の目で設備や工程を確認できる人は、生産技術職に向いています。
私自身、製造現場で6年間働いた経験があったため、生産技術へ異動した後も、作業者の立場を考えながら設備の改善に取り組むことができました。
ものづくりが好きな人
生産技術職は、機械や設備の仕組みに興味があり、ものづくりが好きな人に向いています。
生産ラインの導入や設備改善では、どのような仕組みにすれば安全に作業できるか、品質を安定させられるか、生産性を高められるかを考えます。
考えた内容を図面や仕様書にまとめ、設備メーカーや関係者と相談しながら、実際の設備として形にしていきます。
完成した設備が最初から予定どおりに動くとは限りません。
不具合があれば原因を調べ、修正と確認を繰り返します。
試行錯誤を重ねた設備が安定して動き、製品が作られるようになったときには、大きな達成感があります。
機械を触ることが好きな人だけでなく、問題の原因を考え、改善を積み重ねることを楽しめる人も、生産技術職に向いています。
人とのコミュニケーションを取るのが苦にならない人
生産技術の仕事は、一人だけで完結するものではありません。
新しい生産ラインの導入や既存設備の改善では、製造、品質、設計、保全など、さまざまな部署と協力して仕事を進めます。
設備を実際に使用する作業者から困っていることを聞き取り、どのように改善すればよいかを一緒に考えることも重要です。
設備メーカーに依頼するときには、必要な機能や安全性、生産能力、納期などの条件を正確に伝えなければなりません。
専門的な内容を、相手に分かりやすく説明する力も求められます。
また、部署によって優先することが異なるため、意見が一致しない場合もあります。
生産技術の担当者には、それぞれの要望を確認し、実現できる方法を調整する役割があります。
話すことが得意である必要はありません。
相手の話をよく聞き、自分の考えを分かりやすく伝えながら、関係者と協力して仕事を進められる人は、生産技術職に向いています。
生産技術職に向いている人・向いていない人の特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

生産技術職へ進む3つの方法

生産技術職へ進む方法は、学校を卒業して直接就職するだけではありません。
製造現場や設備保全などで経験を積んでから社内異動する方法や、これまでの経験を活かして転職する方法もあります。
主な方法は、次の3つです。
学校を卒業して生産技術職へ就職する
一つ目は、大学、高等専門学校などで機械、電気、制御、情報などを学び、生産技術職として企業へ就職する方法です。
新卒採用では、「生産技術」「設備技術」などの職種名で募集されることがあります。
学校で学んだ機械設計、電気回路、制御、プログラミングなどの知識は、設備の設計や生産ラインの立ち上げに活かせます。
ただし、募集条件や入社後の配属方法は企業によって異なります。
生産技術職を希望していても、必ず希望どおりに配属されるとは限りません。
応募前には、募集職種、配属先、仕事内容、必要な専攻や資格などを求人票や企業の採用ページで確認することが大切です。
製造現場で経験を積んで社内異動する
二つ目は、製造現場や設備保全、工程改善などの仕事を経験してから、社内異動で生産技術職へ進む方法です。
私は工業高校の機械科を卒業後、製造担当者として入社しました。
当時、私が勤務していた会社では、生産技術部門の新卒採用は主に大学卒業者が対象となっていました。
そのため、高校卒業後すぐに生産技術へ配属されたわけではなく、最初の6年間は交替勤務で製造現場を経験しました。
その後、4年間の工程改善を担当し、入社から10年後に生産技術部門へ異動しました。
製造現場では、設備を使う作業者の立場や、品質・生産性に関する問題を学びました。
工程改善では、問題の原因を調べ、対策を実施して効果を確認する方法を身につけました。
こうした経験が評価され、生産技術職へ進むことができました。
製造現場から生産技術職を目指す場合は、日々の業務をこなすだけでなく、設備の問題点や改善できる作業に関心を持つことが大切です。
改善活動へ積極的に参加し、機械、電気、CADなどの知識を身につけながら、上司との面談などで生産技術職を希望していることを伝える方法もあります。
学校を卒業して直接配属されなくても、製造現場で積み重ねた経験を活かして、生産技術職へ進める可能性があります。
関連する経験を活かして転職する
三つ目は、これまでの仕事で身につけた経験を活かして、生産技術職へ転職する方法です。
生産技術の経験者だけでなく、設備保全、機械設計、電気設計、制御、工程改善、品質管理などの経験が、採用で評価されることもあります。
製造現場で働いている場合は、設備トラブルへの対応、改善活動、安全対策、作業手順の見直しなど、応募先で活かせる経験を整理することが大切です。
求人票に「生産技術」と書かれていても、会社によって担当する仕事は異なります。
新しい生産ラインの立ち上げが中心の会社もあれば、既存設備の改善や設備保全が中心の会社もあります。
応募する際には、仕事内容と自分の経験がどのようにつながるかを確認し、職務経歴書や面接で具体的に伝える必要があります。
私は46歳以降に4回転職しましたが、新しい生産ラインの導入、既存設備の改善、設備トラブルへの対応など、これまでの経験を転職先でも活かしてきました。
未経験から転職する場合は、経験者を求める求人への採用が難しいこともあります。
その場合は、製造現場や設備保全などの関連職種で経験を積み、将来的に生産技術職を目指す方法もあります。
40代・50代で工場転職を考えている方は、以下の記事で転職活動の進め方を7つのステップに分けて解説しています。

まとめ

生産技術職は、製品を安定して生産するために、生産ラインの導入や設備改善、設備トラブルへの対応などを行う仕事です。
設計と製造現場をつなぎ、品質・コスト・納期・安全を支える重要な役割を担っています。
主な仕事内容は、次のとおりです。
- 新しい生産ラインの導入
- 既存設備の改善・改造
- 設備故障への対応
- 新しい生産技術の開発
自分が関わった設備から製品が生まれる達成感があり、幅広い知識や技術を身につけられることは、生産技術職の大きな魅力です。
海外工場を持つメーカーでは、海外で生産ラインの立ち上げや技術支援に携われる可能性もあります。
一方で、生産開始の納期や設備トラブルに追われ、残業や休日出勤が続くこともあります。
工場の稼働体制によっては、夜間や休日に連絡を受ける場合もあります。
私は工業高校を卒業後、6年間の製造現場と4年間の工程改善を経験し、その後、生産技術職へ進みました。
最初の会社で18年間、生産技術を担当し、転職後も経験を活かしながら、合計で約30年間この仕事に携わってきました。
生産技術職へ進む道は、学校を卒業して直接就職する方法だけではありません。
製造現場や設備保全などで経験を積んで社内異動する方法や、関連する経験を活かして転職する方法もあります。
ものづくりが好きで、現場の問題を関係者と協力しながら解決したい人にとって、生産技術職は経験を積み重ねながら成長できる仕事です。
この記事が、生産技術職の仕事内容を理解し、将来の進路や働き方を考えるための参考になれば幸いです。


