希望退職が承認されない人の共通点|40代・50代の工場勤務が直面する現実

- 希望退職に応募したのに、なぜか承認されなかった
- このまま残るべきか、別の道を探すべきか判断できない
- 会社に必要とされているはずなのに、先が見えず不安を感じている
筆者は、工場勤務39年、生産技術職として4回の転職を経験しています。
希望退職に応募すれば、誰でも必ず辞められる。
そう思っていませんか?
実は、希望退職は「応募=承認」ではありません。
40代・50代で、不承認になるケースも少なくないのが現実です。
筆者自身、43歳のときに希望退職に応募しましたが、結果は不承認。
「なぜ自分が?」と強いショックを受けました。
この記事では、希望退職が承認されない人の共通点について、筆者の実体験をもとに解説します。
これから応募を考えている方、すでに悩んでいる方の判断材料になれば幸いです。
希望退職が承認されない人の共通点とは?

希望退職が承認されない理由は、能力だけではありません。
「今、その人が抜けられるかどうか」です。
会社にとって「いま必要な人材」であるほど、承認されにくいのが現実です。
ここでは、実体験をもとに共通点を解説します。
共通点① 代替が効かない職種・スキルを持っている
工場勤務では、生産技術や製造技術など属人性が高く、引き継ぎが難しい職種は不承認になりやすい傾向があります。
特に以下に当てはまる人は注意が必要です。
- 特定の設備を一人だけ把握している
- 海外工場への生産移管の実務担当になっている
- トラブル時の「最後の頼みの綱」になっている
会社から見れば「辞められると困る人」です。
共通点② 工場閉鎖・生産移管の担当になっている
工場閉鎖や生産移管の局面では、最後まで残ってほしい人材が必ず存在します。
筆者は希望退職に応募しましたが、生産ラインを海外工場へ移管するメンバーの一人だったため、「辞めるなら自己都合で」と言われ不承認になりました。
希望退職は、全員を平等に辞めさせる制度ではありません。
共通点③ 「応募すれば必ず辞められる」と思っている
最大の落とし穴がこれです。
希望退職は、社員の権利ではなく会社が選ぶ制度です。
応募しても承認されなければ成立しません。

筆者自身も「応募すれば必ず辞められる」と思っていました。
「必ず辞められる」という考えで動くと、不承認後に大きなダメージを受けます。
40代・50代の工場勤務の技術職が知っておくべき現実

結論から言えば、工場勤務の技術職のキャリアは、個人の努力や実績だけではコントロールできません。
むしろ現実は、会社の都合に大きく左右される職種だと言えます。
工場勤務の技術職が知っておくべき現実を解説します。
技術力があっても、配置は会社が決める
- どの工場に配属されるか
- どの業務を任されるか
- いつ異動、転勤になるか
これらを最終的に決めるのは、個人ではなく会社です。
実際、「この設備はあの人しか分からない」「今は抜けられると困る」そう評価されている人ほど、退職を止められることがあります。
それは評価である一方、個人の希望が後回しにされる立場でもあります。
工場閉鎖・海外移管は、個人では止められない
どれだけ長く勤め、どれだけ現場を支えてきたとしても、工場閉鎖や生産ラインの海外移管といった経営判断が下されれば、現場の技術者は抗うことができません。

筆者自身も「自分が勤務している工場が閉鎖することはない」と思っていました。
そう思っていても、ある日突然、前提が崩れるのが製造業の現実です。
年齢を重ねるほど、選択肢は狭くなる
20代・30代であれば、未経験職種への転職も比較的しやすいでしょう。
しかし40代・50代になると、企業側が求めるのは即戦力です。
- メーカーで物づくりに携わった経験
- 製造現場でのマネジメント経験
- 設備保守経験
これら企業側が求めている経験がなければ、書類選考すら通りません。
だからこそ、「会社に必要とされている=安心」ではないという事実を、早い段階で理解しておく必要があります。
会社にとって必要な人と、人生にとって最適な選択は別
希望退職が承認されなかったとき、「自分は必要とされている」と感じるかもしれません。
しかしそれは、今このタイミングで会社にとって都合が良いという意味である場合がほとんどです。
の不安
- 異動や転勤がある
- やりたい業務から外れる
- また希望退職の募集がある
このような不安を抱えたまま働き続けることが、あなたの人生にとって本当に最適なのか、一度冷静に考える時間が必要です。

希望退職が承認されなかった今こそ、自分のキャリアを見直す重要なタイミングです。
不承認だった人がやりがちなNG行動

希望退職に応募し承認されなかった直後は、「なぜ自分だけが認められなかったのか」「このまま会社に残って意味があるのか」そんな思いが頭をぐるぐると巡ります。
その状態のまま判断すると、後になって後悔しやすい行動を取りがちです。
ここでは、工場勤務で技術職の方が特に陥りやすいNG行動を解説します。
NG① 感情的になり、会社や上司への不満だけで動いてしまう
- なぜ自分が希望退職を認められないんだ
- 一度承認されたのに「辞めるなら自己都合」とはどういうことだ
- 社長からほぼ全員が対象と言っていたのになぜだ
こうした不満を抱くのは自然なことです。
しかし、怒りや失望のまま退職を決断すると、準備不足の自己都合退職になりやすくなります。
特に技術職は、今の職場では評価されているけど市場では通用するとは限らない
というケースも多く、勢いだけで辞めると転職活動で現実に直面します。
感情を吐き出す時間と、冷静に考える時間は分けることが大切です。
NG② 「必要とされている=安泰」と思い込み、何も準備しない
不承認になると「自分はまだ会社に必要な存在なんだ」 と感じるかもしれません。
ですがそれは、今の会社・今の体制にとって必要なだけであり、5年後・10年後も同じとは限りません。

不承認を理由に何も動かないことは、将来の選択肢を自ら狭める行為になりかねません。
NG③ 「どうせ年齢的に無理」と転職市場を見ずに諦めてしまう
40代・50代になると、「もう転職は厳しい」「書類すら通らない」「年収が大きく下がる」と考えてしまいがちです。
しかし実際には、技術職の経験や、若手技術者の教育や育成をできる人材を求めている企業も確実に存在します。
問題は、「通用するかどうか」を調べもせずに諦めてしまうことです。
行動しなければ、可能性があるかどうかすら分かりません。
NG④ 不承認=失敗だと決めつけてしまう
希望退職が承認されなかったからといって、それは失敗でも、キャリアの終わりでもありません。
むしろ、「次にどうするかを考える時間が与えられた」そう捉えることもできます。
焦って動く必要はありません。
ただし、何もしないまま時間だけが過ぎることは、確実にリスクになります。
希望退職が承認されない時に取るべき3つの行動

希望退職が承認されなかったからといって、すぐに結論を出す必要はありません。
むしろ重要なのは、その後にどう動くかです。
不承認そのものよりも、その後にどう動くかが今後の人生を大きく左右します。
では、希望退職が承認されなかったとき、具体的に何から始めればいいのでしょうか。
ここからは、「希望退職が承認されない時に取るべき3つの行動」を実体験をもとに解説します。
行動① 自分の技術が「社外で通用するか」を確認する
工場の現場では、「設備や工程を全て把握している」「トラブル時の最後の頼みの綱」といった社内限定で価値のある技術が評価されがちです。
まずは、次を冷静に確認してください。
- 職務実績を「数字」で語れるか
- どんな資格を所有しているか
- 自分が持っている技術やスキルを他社で活かすことができるか
- マネジメント経験はあるか
これを言語化できない場合、転職市場では評価されにくいのが現実です。
希望退職が承認されなかった今こそ、履歴書・職務経歴書を作り、自分の技術を「社外基準」で見直すタイミングです。
行動② 「辞められなかった=安泰」という思考を捨てる
工場勤務では、次のようなことが起こります。
- 海外への設備移管が完了したら役割がなくなる
- プロジェクトが完了したら役割がなくなる
- 突然の転勤・異動で職種が変わる
希望退職を止められたとしても、数年後も同じ立場とは限りません。
「今回は残れたから大丈夫」と考えるのではなく、次に同じ話が出たらどうするかを今から考えておくことが重要です。

技術職の40代・50代にとって、準備を始めるのが遅れるほど選択肢は狭くなります。
行動③ 次は「会社に決めさせない」選択をする
希望退職は、あくまで会社都合の制度です。
承認するかどうかを決めるのも会社。
時期や条件を決めるのも会社です。
だからこそ次は、
- 自分が辞めるならいつか
- どんな条件なら動くのか
- 辞めずに残るなら、何を許容できるのか
これを自分の中で決めておくことが重要です。
会社の判断に振り回されるのではなく、主導権を自分に戻すことが、40代・50代の技術者にとって最大のリスク回避になります。
行動しても不安になるのは普通

行動していても、不安は簡単には消えません。
それは、40代・50代のキャリアにおいて、ごく自然な反応です。
希望退職が承認されなかったあと、転職情報を調べたりスキルの棚卸しをしたり、「次に向けて行動しているのに、不安が消えない」そう感じている人は多いのではないでしょうか。
結論から言えば、それは何かを間違えているからではありません。
むしろ、現実と向き合い、真剣に考えている証拠です。
筆者の経験をもとに不安について解説します。
行動していても、不安は簡単には消えない
転職サイトを見ても、エージェントに相談しても、不安がゼロになることはありません。
特に工場勤務の技術職の場合、「この会社で通用した経験が、次の会社でも通用するのか」「年齢を重ねた自分に、需要はあるのか」といった不安が、どうしても頭をよぎります。
行動しているから不安になるのではなく、行動しているからこそ現実が見えて不安になるのです。
40代・50代は「守るもの」が多く、迷って当然
40代・50代になると、若い頃のように「勢い」で決断することはできません。
- 家族の生活
- 住宅ローン
- 子どもの教育費
- これまで築いてきたキャリア
守るものが増えれば増えるほど、慎重になるのは当たり前です。
迷いが生まれるのは、無責任だからではなく真剣に考えている証拠だと言えます。
「不安=間違い」ではありません
不安を感じると、「自分の判断は間違っているのではないか」「動かない方が正解なのではないか」と考えてしまいがちです。
しかし、不安があるからといって、その選択が間違いだとは限りません。
むしろ、不安を感じずに決断する方が、後になって大きな後悔につながることもあります。
大切なのは、不安を無理に消そうとすることではなく、不安と向き合いながら判断材料を増やしていくことです。
不安を感じたままで構いません
不安があっても情報を集めて準備をし、少しずつ前に進むことが大切です。
40代・50代のキャリアは、「迷いながら進む」くらいが、ちょうど良いのかもしれません。
不安を感じているあなたは、すでに「何も考えずに流される状態」からは抜け出しています。
それだけでも、大きな一歩です。
会社に残る/辞める判断チェックリスト


希望退職が承認されなかったとき、「残るべきか」「辞めるべきか」で迷うのは自然なことです。
今すぐ結論を出す必要はありません。
ここでは、感情ではなく現実ベースで判断するためのチェックリストを用意しました。
すべてに当てはまる必要はありません。
今の自分に多く当てはまる項目がどちらかを、確認してみてください。
会社に「残る」選択が向いている人
以下に当てはまる項目が多い場合、現時点では残る判断も現実的です。
- 現在の勤務地・通勤条件に大きな不満がない
- 今後も希望する職種(生産技術など)に携われる見込みがある
- 異動・転勤の可能性が低い、または受け入れられる
- 年収・福利厚生に大きな不満がない
- 5年後・10年後の自分の役割が、ある程度イメージできる
- あと数年で定年を迎える
これらに多く当てはまるなら、焦って辞める必要はありません。
「辞める」ことを真剣に考えた方がいい人
一方で、次の項目が多く当てはまる場合は、このまま残ることがリスクになる可能性もあります。
- 通勤できない異動・転勤の可能性が高い
- 年収・福利厚生に大きな不満がある
- 「今は必要」と言われるが、将来どうなるか分からない
- 工場閉鎖・縮小・海外移管の話が具体化している
- 同じ会社で働き続ける自分を想像できない
- 定年までに10年以上ある
これらに複数当てはまる場合、辞めることを真剣に考えた方が良いかもしれません。
判断を誤らないために、必ず考えてほしいこと
判断に迷ったときは、次の問いを自分に投げかけてみてください。
- 会社にとって必要な人であることと、自分が幸せに働けることは一致しているか
- この会社に残ることで、5年後の自分は納得できているか
- 辞めなかった理由は「安心」か「不安からの逃げ」か
ここが整理できると、残る/辞める、どちらを選んでも後悔は大きく減ります。
正解は「会社」ではなく「あなたの中」にある
希望退職は、人生の分かれ道です。
しかし、どちらを選んでも不正解ではありません。
大切なのは、以下です。
- 割増退職金があるからと、流されて決めないこと
- 誰かの判断に委ねないこと
- 自分で考え、自分で決めること
このチェックリストが、あなた自身の判断を整理する材料になれば幸いです。
筆者の結論

筆者自身、希望退職に応募して不承認となり、その後も迷いながら働き続け、最終的に「転職」という選択をしました。
この経験を通じて、はっきり言える結論があります。
希望退職が承認されるかどうかは、「今、その業務に必要かどうか」「そのタイミングで抜けられるかどうか」という会社都合の視点で判断されます。
それは単に、その時点で会社の業務バランスに合わなかっただけです。
重要なのは、会社にとって必要かどうかではなく、自分の人生にとってその会社が最適かどうかです。
筆者は、自宅から通勤できなくなることが最大の理由ではありましたが、「5年後の自分が想像できない」と感じた時点で転職を決断しました。

転職は、収入や業界などで妥協した部分もありますし、楽な道ではありませんでした。
それでも今は、自分で考え、自分で選んだ決断だったという点で後悔はありません。
希望退職が承認されなかったとしても、キャリアが終わるわけではありません。
むしろ、次の選択を主体的に考える機会が与えられたと捉えるべきだと筆者は考えています。
もし今、「自分だけが取り残されたような気がする」と感じているなら、それはあなただけではありません。
最後に

希望退職に応募し、不承認という結果を受け取ることは、想像以上に心に堪える出来事です。
筆者自身も、「なぜ自分が承認されなかったのか」「この会社にこのまま居続けた方が良いのか」答えの出ない問いを、何度も自分に投げかけました。
ですが、今振り返って思うのは、希望退職は人生のゴールでも、正解・不正解を決めるものでもないということです。
辞める選択も、残る選択も、どちらが正しいかは誰にも分かりません。
ただ一つ言えるのは、納得できる選択は「考え抜いた人」にしかできないということです。
会社の都合だけで決めるのでもなく、感情だけで動くのでもなく、自分の家族、生活、技術、経験を冷静に見つめ直す。
40代・50代の工場勤務・技術職だからこそ、この時間は決して無駄にはなりません。
今回の不承認は、あなたに「立ち止まって考える時間」が与えられただけです。
焦らなくて大丈夫です。
比べなくて大丈夫です。
自分のペースで、自分の答えを出してください。
この記事が、希望退職を前に迷っているあなたの背中を、少しでも静かに支える存在になれていたら幸いです。

